TOP > 晴れときどき戸倉トラクター > 今年懸念されること

戸倉の記事
戸倉の記事

今年懸念されること

こんにちは!

 

今年懸念されること。

それは「冷夏」です。

「冷夏」とはなんぞや、、、

字にある通り、冷たい夏です。

夏なんて暑いやんけ。今年も全然冷たくないで。

そんな声が聞こえてきそうですが、毎日外に出て仕事をしている農家からすると、ずばり今年の夏は冷えてます。

まさしく「冷夏」の夏です。

草刈りをしていても、去年のように滝のような汗が出ることなく、じんわりとした汗。

クーラーの効いた部屋に入ると、寒さを感じるほどの気温。

そして何より、植物の生育が悪い。

 

「涼しくていいじゃん!」

という人もいるようですが、農家にとっては大打撃。

それはなぜか。

作物が成長しないからなのです。

植物が成長するために必要なものは何か。

これは前も言いましたが、「水」「空気」「光」なんですね。

このうち一つがかけてもいけません。

今年の夏はこのうち、「光」がかけてしまっているのです。

つまり、「日照不足」というやつです。

太陽の光が、梅雨空の雲に覆われてしまい、大地まで降り注ぐ量が少ないのです。

最近になってニュースに取り上げられるようになりましたが、作物を育てている人たちはなんとなく思っていました。

「あれ、今年なんか涼しくない?なんか生育悪くない?」

案の定、直射日光が一番降り注ぐはずの今の時期でさえ、寒さを感じる時があるくらいです。

日本は夏至を超えました。

つまり、太陽が上がっている時間はどんどんと短くなっていくのです。

つまり、降り注ぐ日光がどんどん少なくなっていくのです。

ましてや、山間の地域になると、山に邪魔されてしまうので、ますます少なくなります。

平坦な地域にある愛西市民でさえ感じているので、山間部の地域の人はもっともっと感じているはずです。

 

これが一番大きく影響するのがお米です。

「冷夏の年はお米の値段が上がる。」

そりゃそうですよ。

収量が少ないのに食べる量は変わらないんですから、みんなで取り合いですよね。

 

テレビでは、消費者目線のことしか言いません。

「1993年の平成の米騒動覚えていますか!」

「野菜の値段が高くなりますよ!」

「家計に大打撃ですね!」

 

違うんです。

一番困るのは農家さんです。

米、野菜は相場で値段が決まります。

世の中の需要と供給で決まります。

スーパーの店頭での値段はそんなに変わりません。

急に変わることなく、じわじわと変わります。

なぜでしょうか。

日本の中でも、産地が変わってくるからです。

九州から野菜の出荷が始まり、終われば関西地方の野菜、中部地方の野菜などと、産地が変わることで値段が安定します。

 

その一方で、農家さんは、天候による大打撃を受けた産地はたまったもんじゃないです。

収量が少ないのに、値段はほとんど変わらないです。

末端の消費者さんが困るからです。

飲食店での値上げ。本当は毎年値段が変わらないとおかしいんです。

それでも変わらずに、一食800円のランチを提供できるのには理由があるんです。

そこを理解していただきたい。

日本の食は、日本の農家さんと作物の輸入によって支えられています。

 

国内産のキャベツの値段が高ければ、安い海外産のキャベツを買います。

なぜかというと、末端の値段を変えられないからなんです。

それで苦しんでいるのはだれなのか、キャベツ農家さんです。

「収穫するだけ赤字になるから、そのまま畑で腐らせる。」

そんなこともあります。

 

選ぶのは同じ日本人なんですね。

高くても国内産買ってください。

それが一番の社会貢献ではないかと思います!

 

それでは。